検定を幾何で理解する 4: 尤度比検定は高さの差を見る
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検定を幾何で理解するWald 検定は距離を見ました。
Score 検定は坂を見ました。
尤度比検定は、高さの差を見ます。
ここでいう高さは、対数尤度の高さです。
2 つの頂上を比べる
対数尤度を山の地形だと思ってください。
自由なモデル全体でいちばん高い場所を、
とします。
帰無仮説の範囲内でいちばん高い場所を、
とします。
尤度比検定は、この 2 つの高さを比べます。
この値が大きいほど、帰無仮説の中に閉じ込められることで大きく損をしている、という意味になります。
幾何では制限ありと制限なしの比較
帰無仮説は、地図の中の制限された場所です。
自由なモデルは、もっと広い場所です。
自由に動けるなら高い場所まで行ける。でも帰無仮説の中にいると、そこまで行けない。
この差が大きければ、帰無仮説はデータに合っていないと考えます。
局所二次近似の上で 3 つの検定を見る
真の点の近くでは対数尤度の山を二次関数で近似できるので、Wald・Score・尤度比は同じ地図に乗ります。
帰無仮説の中での最高点と、自由なモデルでの最高点の落差を動かして確認できます。
なぜ 2 をかけるのか
統計量にはよく
のように 2 がつきます。
これは、最尤点の近くで対数尤度を二次関数として近似すると、距離の二乗の形にそろうからです。
山の頂上付近は、なめらかな放物線のように見えます。
その放物線の高さの落差は、横方向の距離の二乗に対応します。
だから大標本では、尤度比検定の統計量が 分布に近づきます。
3 つの検定を同じ絵で見る
Wald 検定は、自由な推定点から帰無仮説までの距離を見ます。
Score 検定は、帰無仮説の点で外へ出る坂を見ます。
尤度比検定は、帰無仮説の中の頂上と自由な頂上の高さの差を見ます。
見方は違いますが、最尤点の近くで地形がきれいな二次関数に見えるなら、3 つは近い答えになります。
今日のまとめ
尤度比検定は、高さの差を見る検定です。
検定を幾何で見ると、Wald は距離、Score は坂、尤度比は高さです。
この 3 つを同じ地図に置くと、検定は暗記する公式ではなく、確率分布の地形を読む方法になります。
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